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  • 開業を考えている医師必見!施設基準と診療報酬・届出・リスク

    医療機関の開業を検討されている医師にとって、施設基準は避けて通れない重要な課題です。
    適切な施設基準への対応は、診療報酬の請求や円滑な医療提供に直結し、ひいては医療機関の運営にも大きく影響します。

    今回は、開業医が知っておくべき施設基準の基礎知識から、開業準備における具体的な対応策までを解説します。

     

    施設基準とは何か

     

    施設基準の定義と目的

     

    施設基準とは、健康保険法等の規定に基づき厚生労働大臣が定めた、保険診療の一部について、医療機関の機能や設備、診療体制、安全面やサービス面などを評価するための基準です。
    医療法で定める基準とは別に存在し、多くの診療報酬の算定要件として定められています。

    その目的は、国民皆保険制度における医療の質を確保し、適切な医療サービスの提供を推進することにあります。
    施設基準を満たすことで、特定の診療行為に対する診療報酬を請求できるようになります。

     

    施設基準と診療報酬の関係性

     

    多くの診療報酬は、施設基準への適合を算定要件としています。
    つまり、特定の診療行為を行うには、その行為に対応する施設基準を満たし、地方厚生局長等に届け出て受理されている必要があるということです。

    届け出を行わずに該当する診療報酬を請求すると、不正請求となり、ペナルティを受ける可能性があります。
    それぞれの診療報酬の点数表や通知をよく確認し、算定要件を満たしているかを確認することが重要です。

    届け出は毎月締切があり、算定開始に間に合うように手続きを行う必要があります。

     

    主な施設基準の種類と概要

     

    施設基準の種類は多岐に渡り、診療科目や診療内容によって異なります。
    例えば、オンライン診療、在宅医療、感染症対策、リハビリテーションなど、様々な分野で施設基準が設定されています。
    それぞれの施設基準には、対象となる患者、算定の要件、届出の要件が詳細に定められています。

    開業する診療科目に応じて、どの施設基準に適合する必要があるのかを事前に確認し、必要な設備や体制を整えることが重要です。
    厚生労働省の通知や関連資料を参照して、最新の情報を常に把握しておく必要があります。

     

    施設基準の届出方法と手続き

     

    施設基準への適合を認められた医療機関は、地方厚生局長等に所定の届出書を提出しなければなりません。
    届出書には、医療機関の情報、施設基準の適合状況などを正確に記載する必要があります。

    届出書の提出後、地方厚生局長等は、概ね1ヶ月以内に受理または不受理を決定し、医療機関に通知します。
    届出前に不正な届出を行っていないか、療養担当規則などに違反していないかなども確認されます。

    届け出は算定しようとする月の最初の開庁日までに受理される必要があります。
    ただし、診療報酬改定時には例外措置が設けられる場合があります。
    届出内容に変更が生じた場合も、遅滞なく変更届を提出する必要があります。

     

    施設基準違反のリスクと対応

     

    施設基準に違反した場合、診療報酬の減額や返還、指定の取り消しといったペナルティを受ける可能性があります。
    また、医療事故に繋がる可能性もあります。
    施設基準への適合性を常に確認し、違反がないよう注意を払うことが重要です。

    違反が判明した場合には、速やかに対応し、再発防止策を講じる必要があります。
    専門家への相談も有効な手段です。

     

    施設基準への対応と開業準備

     

    開業前に確認すべき施設基準

     

    開業前に、開業する診療科目に関連する全ての施設基準を確認し、自院が満たすべき要件を把握しておくことが不可欠です。
    診療報酬請求に必要な施設基準だけでなく、医療の質の向上や安全確保に関連する基準も確認する必要があります。

     

    施設基準への適合性確保のための対策

     

    施設基準への適合性を確保するためには、必要な設備の導入、人員の配置、マニュアルの作成、研修の実施など、様々な対策が必要です。
    特に、人員配置については、常勤、非常勤、専従などといった表現の定義を正確に理解し、適切な人員配置を行う必要があります。

    これらの言葉は、勤務形態や業務への従事度合いを明確に示すものであり、施設基準の要件を満たすために正確な理解が不可欠です。
    また、最新の法令や通知を常に確認し、必要な改修や手続きを行う必要があります。

     

    まとめ

     

    今回は、開業医が直面する施設基準に関する重要なポイントを解説しました。

    各施設基準の定義、届出方法、違反した場合のリスクなどを理解し、開業前に必要な設備や体制を整えることで、円滑な開業と安定した医療機関運営を実現できます。

    開業後の継続的な運用においても、施設基準への適合性を定期的に確認し、必要に応じて改善を行うことが重要です。

    当社には、関西エリアでの診療所の開業支援を通して培った結びつきがございます。
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